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海自 次期潜水艦「VLS搭載型」開発本格か?極超音速ミサイル発射装置の研究開発が概算要求に盛り込まれる

防衛省は令和9年度(2027年度)概算要求を公表し、水中から発射できる極超音速誘導弾の開発着手と潜水艦用の垂直発射装置の研究を盛り込みました。

2026-09-14
最新鋭の潜水艦「たいげい」
最新鋭の潜水艦「たいげい」
写真:海上自衛隊CC BY 4.0

水中から撃つ極超音速誘導弾の開発に着手

防衛省は2026年8月31日、令和9年度(2027年度)概算要求の概要を公表しました。その中に「水中発射型極超音速誘導弾の開発」という新規事業が盛り込まれています。

新たに開発するとしているのは、すでに開発が進んでいる極超音速誘導弾の派生型です。極超音速誘導弾は音速の5倍以上で飛び、概算要求はこれを「迎撃困難な能力」と説明しています。この事業はあくまで「事項要求」であり、金額は未定としたまま要求しつつ、年末の予算編成の過程で中身を検討する方式です。

概算要求はスタンド・オフ防衛能力(相手の射程の外から、侵攻する艦艇などを遠方で食い止める能力)を「抑止力発揮の切り札」と位置づけています。そのうえで「特に残存性の高い」、つまり攻撃を受けても生き残りやすい水中プラットフォームからの発射計画に踏み込んだ形です。

同じ概算要求には「水中発射型垂直発射装置の研究」も計上されています。契約ベースで480億円を要求し、あわせて金額が未定の事項要求も併記されています。

垂直発射装置(VLS)は、ミサイルを艦内に縦に収めて真上へ撃ち出す装置です。今回の極超音速誘導弾をこのVLSから発射するのかどうか、両事業の連関は概算要求には明示されていません。

防衛省の政策評価書には「次期潜水艦(VLS搭載型)のトータルシップ最適化設計に関する研究」という事業名が書かれており、VLSを含む装備一式を潜水艦の限られたサイズに収める設計検討を、令和8年度から令和11年度まで研究委託を実施するとされています。

VLSを積んだ潜水艦が強力とされるのは、水中に身を隠したまま、浮上せずにミサイルを撃てるからです。見つかりにくく生き残りやすい場所から撃てるという利点は潜水艦からの発射に共通しますが、VLSはそこに、魚雷発射管の口径に収まらない大型のミサイルを艦内に立てて積めるという利点を重ねます。評価書がVLSを「大型装備品」と呼び、これを限られたサイズの艦に組み入れる設計を課題に据えているのも、そのためです。

今回の概算要求は、この設計検討が動き出したうえで出てきたものです。評価書は、船体の長大化に伴う被探知防止性能の低下や、ミサイル発射直後の艦の姿勢の乱れを想定し、注排水(水の出し入れ)の制御などでその抑制を図る研究を挙げています。

現行の「たいげい」型潜水艦の主要兵装は、魚雷などを水平に撃ち出す水中発射管だけです。防衛装備庁の事業評価書も「国内においてはVLS搭載潜水艦の実績はなく、かつVLS搭載潜水艦に係る技術は存在しない」と記しています。

VLS搭載潜水艦をいつ、何隻建造するのかは現時点で公表されていないものの防衛力の強化のためとして、強力な装備を手に入れようと計画を前進させる意図が浮かび上がります。

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