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「1体195万円」から「数値は非公表」まで——ヒューマノイド3強を公式スペックで並べたら設計思想が割れた!?

·2026-07-08·読了 7分

TeslaのOptimus、UnitreeのG1、FigureのFigure 03。ヒューマノイド3強を公式スペックだけで横に並べると、性能の差より先に「何を公表しているか」の差が浮かび上がります。価格で勝負する会社、実績で語る会社、数字を伏せて計画を語る会社。この違いはどこから来るのでしょうか。

同じ物差しに載せると、まず「非公表」の多さに気づきます

物差しは5つです。身長、重量、可搬重量(ペイロード。持ち上げて運べる重さ)、公式価格、そして設計思想。数値は各社の公式公表のみを使い、非公表の項目と目標値にはその旨を添えます。

最初につまずくのがTeslaです。現行世代Optimusは、身長も重量も可搬重量も自由度(関節が独立して動く軸の数)も、公式には非公表となっています。公式に出ている数値は、2022年の発表イベント「AI Day」で示された設計目標値(身長約172cm、可搬重量約20kg、片手11自由度)だけです。

つまりOptimusについて並べられるのは目標値です。実機の実測値ではありません。一方のUnitreeとFigureは現行機の主要数値を公式サイトで公表しており、この公表姿勢の差が比較の読み方を決めてしまいます。

各社が公表する身長(cm)— ヒューマノイド3強 単位:cm Tesla Optimus 172 cm(2022目標値) Figure 03 173 cm Unitree G1 132 cm 各社公式公表値。TeslaのOptimusは2022年AI Dayの設計目標値で、現行実機の身長は非公表。UnitreeとFigureは現行機の公表値。編集部作成。
図:各社が公表する身長(cm)— ヒューマノイド3強編集部作成

価格を正面から公表したのはUnitreeだけです

いま実際に値札を付けて売られているのは、UnitreeのG1だけです。公式価格は1万3500ドル(約195万円)。新車の軽自動車1台分ほどで、人型ロボットが買える計算です。身長約132cmと小柄で、設計思想は「低価格で研究・民生に普及させる」ことにあります(なお歩行速度は公式には非公表です)。

同社の上位機H1(身長約180cm)は移動速度3.3m/s(時速約12km)を世界記録と公式に表記していますが、こちらの小売価格は公式サイトに記載がなく、非公表です。

Teslaはどうでしょうか。イーロン・マスクは量産時の価格を1体2万〜3万ドル(約290万〜430万円)と公言しています。ただし、これは将来の量産を前提とした価格です。いま買える値段ではありません。Figure 03の公式価格も、現時点で公表されていません。

Figureは工場での「1,250時間」で答えます

Figure 03は身長約173cm、可搬重量20kg、1回の充電で5時間稼働する電動のヒューマノイドで、自社開発のAI「Helix(ヘリックス)」を搭載し、家事や狭い場所の移動を自律でこなします。設計思想は、工場など商用の労働現場で人の作業を代替させることにあります。

この体格の数字には見覚えがあります。Teslaが2022年に目標として掲げたのは約172cm、可搬約20kg。Figureが実際に世に出した機体は約173cm、可搬20kgで、目標値と実機が別々の会社でほぼ同じ体格に収まっています。

Figureの強みは実績です。前世代のFigure 02は、BMWのスパルタンバーグ工場で11か月、1,250時間以上稼働しました。担ったのは板金部品のピック&プレース(部品をつかんで所定の位置に置く作業)で、3万台の車両組立に寄与しています。商用ラインでの本格稼働の実績を公表しているのは、3社のうちFigureだけです。

数字の出し方そのものが、3社の設計思想です

並べてみると、「どの数字を出すか」と「何を売りにするか」が各社で対応しています。Unitreeは価格を公表します。研究者や民生市場に広く行き渡らせる戦略だからです。Figureは稼働実績を公表します。商用顧客に「実際に働けること」を示す必要があるからです。

Teslaは現行機の数値を伏せたまま、計画を語ります。次期Gen 3を「初の量産設計」と位置づけ、2026年末までの量産開始、将来は年産100万体を計画しています。設計思想は、まず自社工場向けの汎用労働ロボット。売り先が外部の顧客ではなく、まず自分の工場だという点が、他の2社と根本的に異なります。

いま値札が付くG1、工場で1,250時間働いたFigure、年産100万体を狙うOptimus。物差しごとに強みが入れ替わります。一律の順位付けは成立しません。次の節目は2026年末です。Gen 3の実機スペックが公表されたとき、3社の数字は初めて同じ土俵に並びます。

出典(一次ソース)

  1. Tesla「Optimus」設計目標値(身長・可搬重量・自由度=2022年AI Day発表): https://www.tesla.com/AI
  2. Tesla 量産価格・生産計画(2万〜3万ドル・2026年末量産開始): Tesla公式イベント・マスク氏発言
  3. Unitree G1 公式ページ: https://www.unitree.com/g1/
  4. Unitree H1 公式ページ: https://www.unitree.com/h1
  5. Figure(Figure 03 仕様): https://www.figure.ai/figure
  6. Figure(BMW工場での稼働実績): https://www.figure.ai/news/production-at-bmw
  7. 本記事の数値は2025〜2026年時点の各社公式公表に基づきます。装備仕様・作戦情報は執筆時点の公開情報に基づきます。

装備仕様・作戦情報は執筆時点の公開情報に基づきます。

免責本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の行動や投資、軍事作戦その他の専門的助言を目的としたものではありません。装備仕様や作戦情報は執筆時点の公開情報に基づきます。