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成功率56%!? 人型ロボットAIが〝家事〟を学習した?

Figure AIは2026年9月17日、人型ロボット用AIモデル「Helix 2.5」を公式ブログで発表しました。初見の一般家庭30軒で、追加学習なしに家事能力を評価したとしています。気になる仕様は。

2026-09-14
Figure AIが「Helix 2.5」発表ページで公開した映像より。ヒューマノイド「Figure 03」が一般家庭のリビングで床の物を拾い上げて片付ける様子
Figure AIが「Helix 2.5」発表ページで公開した映像より。ヒューマノイド「Figure 03」が一般家庭のリビングで床の物を拾い上げて片付ける様子
写真:Figure AI発表元の報道用素材(権利は発表元に帰属・報道目的での利用)

初めて入る家30軒での「ゼロショット評価」

Figure AIは2026年9月17日、ヒューマノイド(人型ロボット)用のAIモデル「Helix 2.5」を公式ブログで発表しました。同社はこれを「これまでに構築した中で最も高度なニューラルネットワーク」としています。

評価の舞台は、米ベイエリアの一般家庭30軒です。すべての家が、ロボットにとって初めて入る環境です。

30軒では、事前のデータ収集も、その家に合わせた追加学習(ファインチューニング)も一切行われていません。この条件を「ゼロショット」と呼びます。

課題は、「リビングの片付け」「タオルたたみ」「ベッドメイク」の3つです。

3つの行動はいずれも、人間の行動データセット「Index」で事前学習した単一の基盤モデル(複数の行動のもとになる共通のモデル)から作られています。タスク指定データは、30軒とは別の場所で集められたものです。

評価に使うおもちゃやタオル、寝具は、このタスク指定データに含まれない未見の物です。家具は、その家にあるものがそのまま使われました。

あくまでFigureが社内で行ったブラインド評価(採点者の思い込みを避けるため条件を伏せて採点する方式)であるものの、結果としてゼロショット試行の56%が成功したとしています。

Figureは「ヒューマノイドでこの規模のゼロショット汎化を示した初の実証と認識している」としています。汎化とは、初めて見る環境や物にも学んだ動きを応用できることです。

部分点なしの採点基準

成功と数えられるのは、「全部のおもちゃを片付ける」「全部のタオルをたたむ」「ベッド全体を整える」までやり切った試行だけです。部分点はありません。

リビングの片付けなら、13〜15個のおもちゃのうち1個でも残れば失敗になります。安全のために人が介入した試行も、すべて失敗として数えられます。

各課題の条件は次のとおりです。

課題成功の条件制限時間
リビングの片付け散らばった13〜15個のおもちゃをすべてバスケットに入れる1個あたり1分
タオルたたみすべてのタオルをたたんでバスケットに入れる1枚あたり3分
ベッドメイク枕2つと掛け布団の角をベッド上部に置き、掛け布団を平らに伸ばす枕と掛け布団の各側で1分

評価はあらかじめ決められた採点基準を使って行われました。各課題とも30軒すべてで同一のチェックポイント(学習を終えた時点の重みデータ)が使われ、家ごとの調整は入っていません。

56%の背景:人間の作業映像での事前学習

事前学習の効果は、条件を1つだけ変えて比べる対照実験で測られています。

同一のタスク指定データ、同一のモデル構造と学習設定のまま、「Index」での事前学習だけを省いた方法での対照実験も行われました。

この方策のゼロショット試行の成功率は、わずか9%だといいます。

条件の違いは事前学習の有無だけで、成功率に6倍超の開きが出ています。

その事前学習を支える「Index」は、人間の作業映像を専用アプリで世界中から集めているデータセットです。ロボットが自分で動いて集めたデータではありません。

前世代の「Helix 02」は、単一のニューラルネットで全身を制御するモデルでした。このモデルでも、食洗機の出し入れで、4分間にわたり61の動作を連続して自律実行できていました。ただしこれを可能とするのには、実際にロボットが動く場所で集めたデータを学習させる必要があり、その評価も事前に学習した環境で行われていました。学習の出発点も、事前学習済みの視覚言語モデル(画像と言葉を合わせて理解するAI)です。

「Helix 2.5」はここが違います。ランダム初期化(何も学んでいない状態)から、完全に「Index」だけで事前学習しています。

同じ課題を学習した「Helix 02」の方策と比べると、「Helix 2.5」は半分のタスク指定データで、未見の30軒で同等の成功率に達したといいます。

同社は、「行動指定が2倍安くなり、適用範囲は30倍に広がった」としています。

「Helix 2.5」は、全身の知能を人間の経験から学び、新しい状況に転移できることを示した「初の事例」だとしています。作業環境の変化によってモデルを作り直す必要がないという意味です。

30軒での評価の様子は、公式YouTubeの映像「Helix 2.5 30-Home Generalization」(Helix 2.5 の30軒での汎化)で公開されています。

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