「最新かつ最も先進的なF-16」モロッコ空軍向けBlock 72の初号機が初飛行
米ロッキード・マーティンは2026年10月6日、モロッコ王国空軍向けの最初のF-16 Block 72が初飛行に成功したと発表しました。最新鋭機の引き渡しで半世紀を超える両者の協力関係が新しいステージに入るとしています。

飛行試験から「最初の引き渡し」へ
米軍需大手ロッキード・マーティンは2026年10月6日、モロッコ王国空軍(RMAF)向けとして初となるF-16 Block 72の初飛行に成功したと発表しました。発表地は、米サウスカロライナ州グリーンビル。初号機はこれから飛行試験を積み重ね、「最初の引き渡し(first delivery)」へ向かう段階に入ります。初飛行は、その工程の重要な節目だとされています。
F-16 Block 72は、戦闘機F-16ファイティング・ファルコンの「最新かつ最も先進的」なバリアント(派生型)です。近代化されたアビオニクス(飛行と戦闘を支える電子機器類)や先進センサー、改良されたミッションシステムを備え、安全性と信頼性も高めたとしています。
モロッコ空軍はすでにF-16を運用しています。今回の1機は、モロッコにとって初めてのF-16ではなく、「最新かつ最も先進的」なBlock 72としての初号機にあたります。
同社のIntegrated Fighter Group(戦闘機部門)副社長を務めるマイク・シューメーカー氏は、「この初飛行はモロッコのF-16 Block 72計画の着実な前進を示すもので、モロッコの将来の航空戦力を強化する決定的な一歩だ」とコメントしています。そのうえで同氏は、「F-16は今日そして将来の防空の重要な構成要素であり続ける」とも述べました。
1974年のC-130から続く半世紀の関係
この初飛行の背景には、長きに渡る両者の関係性があります。ロッキード・マーティンが初めてモロッコ軍に機体を納入したのは1974年の輸送機C-130H。半世紀以上も前のことです。
現在のモロッコ王国軍は、F-16やC-130に加えて、先進レーダーシステムや汎用ヘリコプターのブラックホークも運用しています。さらに、長距離精密火力を備えるHIMARS(ハイマース。トラックに載せて素早く移動できるロケット砲システム)も受領する予定です。
両者の計画は機体の売り買いにとどまりません。現地モロッコのベンスリマンでは、「Maintenance Aero Maroc」という枠組みのもと、8,000平方メートルを超えるMRO施設(整備・修理・オーバーホールの拠点)の建設が計画されています。広さはサッカーコート1面分あまり(編集部換算)。この施設はまず輸送機C-130ハーキュリーズの重整備と近代化を引き受け、その後はF-16を含む機体へ対象を広げる予定です。モロッコを地域の整備ハブに育てる構想を、この拠点が支えるとされています。
モロッコ向けBlock 72の初号機は、今後の飛行試験を消化しながら、最初の引き渡しという次の節目に向かいます。


