米防衛テック企業の新型迎撃ミサイル「年数千発の量産」発表
米防衛テック企業のAnduril(アンドゥリル)は2026年10月12日、量産を前提にした地対空迎撃ミサイルのファミリー「Steelfin(スティールフィン)」を発表しました。ドローンから極超音速弾までの迎撃を1つの共通設計で受け持つ、その仕組みとは。

共通の最終迎撃体と交換式ブースター
米国の防衛テック企業Andurilは2026年10月12日、地対空迎撃ミサイルのファミリー「Steelfin」を発表しました。「Steelfin」は、巡航ミサイルや弾道ミサイル、極超音速ミサイル(マッハ5以上、つまり音速の5倍以上で飛ぶミサイル)の脅威に対処する、量産を前提にした迎撃弾のシリーズです。
すべて共通の構成で、2段式です。第1段は、用途に応じて固体ロケットモーターを使い分けられるブースター式。第2段は、機体やアビオニクス(搭載する電子機器)、ソフトウェア、飛行制御、インターフェースを全派生型で共有する最終迎撃体(目標への突入を担う弾体)です。
共通化に向けた設計思想は、「Reconfigure, Don't Redesign(再設計ではなく、組み替えを)」とのこと。派生型は一から設計し直すのではなく、必要に応じてコンポーネントを組み替えるとしています。
対応任務の幅は広く、拠点を守る近接防空、下層の統合防空ミサイル防衛、上層の弾道ミサイル防衛と幅広く設定されています。想定する脅威としてはドローン、戦域弾道ミサイル(地域規模の射程を持つ弾道ミサイル)、機動しながら飛ぶ極超音速兵器が挙げられています。
さらに、量産の仕掛けは生産側にもあります。全派生型が同じ生産ライン、同じ治具(部品を固定して組み立てを正確にする道具)、同じ技術者と施設を共有し、短期間で年に数千発規模の生産が可能だとしています。需要に応じて生産数を増減できる設計で、コストは各クラスで現在基準となっている迎撃弾の数分の一が目標とされています。最終迎撃体のインターフェースを開放してモジュール化し、複数のベンダーや民生部品を使えるようにすることで、部品の調達が滞るリスクも下げるとしています。
発射関連の装置は、既存のものを使います。発射機はM903A2やMk 41垂直発射システム(VLS)、Typhon、その他のコンテナ型の発射機に対応し、射撃管制(目標を捉えて迎撃弾を導く管制システム)はAEGIS(イージス)やIBCSといったシステムへの統合を想定しています。
迎撃ミサイルは単価と生産数が防空のボトルネックとして注目されており、「Steelfin」はそこに量産前提の設計で踏み込んだ形です。代表的な機体を使った弾道試験はすでに完了しており、派生型の飛行試験は2027年に始まる予定です。


