SpaceXが全米の〝携帯の電波〟すべて取得へ
米国の投資会社Grain Managementは2026年10月8日、全米をカバーする800MHz帯の電波免許すべてをSpaceXへ売却する契約を結んだと発表しました。スマートフォンと衛星を直接つなぐサービス「Starlink Mobile」を固める一手です。

同じ週に揃った電波と衛星の認可
米国のデジタルインフラ投資会社Grain Management(グレイン・マネジメント)は2026年10月8日、保有する全米の800MHz帯スペクトラム免許(特定の周波数の電波を使う権利)のすべてを、SpaceXへ売却する確定契約を結んだと発表しました。
売却されるのは、携帯電話の通信に使われてきた800MHz帯の、全米を網羅する免許です。この電波は、Grainが2026年8月に米通信会社のT-Mobileから、現金と手持ちの600MHz帯との交換で取得したものでした。売却の完了には、FCC(=Federal Communications Commission、米連邦通信委員会)の認可や手続きなどを満たす必要があります。
SpaceXはこの電波を、衛星とスマートフォンを直接つなぐdirect-to-device(=D2D)サービスに使うとしています。自社の衛星通信サービス「Starlink Mobile」で、地上側と宇宙側の接続を担わせる計画です。
この発表の2日前の10月6日には、FCCはSpaceXに対し、D2D向けの通信衛星15,000機を条件付きで認可しています。D2D衛星が周回するのは高度326〜335kmで、既存のStarlinkブロードバンド網が飛ぶ高度525〜535kmとは別の、さらに低い軌道です。
この認可には、2件の規制免除措置も含まれています。もともと衛星事業者が携帯向けサービスを提供するには携帯電話会社とリース契約を結ぶ必要がありましたが、今回、SpaceXは他社と組まずに自社による携帯サービスを提供できるようになります。
衛星の展開期限も設定されました。2032年10月7日までに認可された機数の50%を、2035年10月7日までに残りすべてを軌道に投入する必要があります。免許の期間は、最初のD2D衛星の軌道投入から15年です。
15,000機の衛星網、規制免除、地上の電波。「Starlink Mobile」に必要な要素が、同じ週に揃った形となります。


