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「原子力NASAの時代」宣言 宇宙用原子炉を2028年に打ち上げへ

NASAと米エネルギー省は2026年10月8日、宇宙での原子力発電と原子力推進システムをめぐる協力の覚書に署名しました。宇宙での原子力利用を、実験室から実運用に移行させる狙いが伺えます。

2026-10-08
イメージ図火星を背に飛行する Space Reactor-1 Freedom の想像図(2026年公開)。
火星を背に飛行する Space Reactor-1 Freedom の想像図(2026年公開)。
図版:NASAPublic domain

燃料生産から運用までを含んだ覚書

NASAと米エネルギー省は2026年10月8日、宇宙での原子力発電分野と核分裂エネルギーで宇宙での推進装置に原子力を使う構想に関して、「Accelerating American Leadership in Space Nuclear Power and Propulsion(宇宙での原子力発電・原子力推進における米国のリーダーシップを加速)」と名付けられた覚書に署名したと発表しました。

この覚書は11月1日に発効する予定です。覚書が網羅する範囲は幅広く、先端研究と核燃料の生産から、厳格な試験、打ち上げ、そしてその後の運用までを一貫して扱う枠組みとされています。

署名式でNASAのアイザックマン長官は「私たちは『原子力NASAの時代(Nuclear Nasa-Era)』に入りつつある。宇宙探査にとって大きな転換だ」と述べました。

最初の節目は2028年に訪れます。この年に打ち上げが予定されているのが、NASAの宇宙用原子炉「Space Reactor-1 Freedom(スペース・リアクター1 フリーダム)」です。成功すれば、原子力推進の分野でも、実験室の研究から深宇宙での実運用の段階に大きく前進するとしています。

次の段階は月面です。核分裂エネルギーを使った発電システム「Lunar Reactor-1(ルナ・リアクター1)」を月に建造し、月面基地において「暗夜と影」、つまり太陽光が届かない場所でも支え、居住区や通信、観測機器、ローバーといった月面の設備に電力を供給する計画です。

月面炉の建設は、2030年までに打ち上げ可能な状態まで仕上げるという目標が決められています。これは2025年12月にトランプ大統領が署名した大統領令「Ensuring American Space Superiority(米国の宇宙優位の確保)」で定められたものです。

一方で、NASAが宇宙船に原子力を用いること自体は、初めてとなるわけではありません。2028年に土星の衛星タイタンへ向かう予定の探査機「Dragonfly(ドラゴンフライ)」には、放射性物質の熱を電気に変える電源「MMRTG」と、観測機器の温度を保つ小型ヒーターユニット24基が搭載されます。火星探査車「Rosalind Franklin(ロザリンド・フランクリン)」にも、同種のヒーターユニット24基が提供されます。

「Dragonfly」や「Rosalind Franklin」で使われる原子力は、発電と保温に限定されています。今回の覚書は、その核分裂エネルギーの使い道を推進力にまで広げる計画を、両機関で共有した形です。

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